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書類整理のプロが使う手帳

小野 裕子さんの活動報告

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Profile

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ファイリング・コンサルタント
小野 裕子(おの ひろこ)さん

貿易商社に勤務した後、1988年にイトーキに転職。ファイリング研究所チーフコンサルタントを経て、2005年に独立。大企業から小規模の事務所まで、さまざまな法人や個人を対象にファイリングの指導を行っている。ファイリング・デザイナー1級、整理収納アドバイザー1級、診療情報管理士。「クラター・オーガナイザー」が集まる「全米整理のプロ協会」の日本人初の会員でもある。著書に「夢をかなえるファイリング」(法研)がある。

http://www.filing1.com

システム手帳がファイリングの世界に導く

書類整理のプロが使う手帳イメージ 1

今のファイリングの仕事に就くきっかけは、実はシステム手帳だったんですよ」とファイリング・コンサルタントの小野さんは開口一番に打ち明けてくれた。

貿易商社で経理の仕事をしていた小野さん。同社では総務部長が中心となってオフィス・クリエイト&クリエーション運動というファイリング活動に取り組んでいた。その一環として、A5サイズのシステム手帳を使った「OLノート」の開発プロジェクトが立ち上がり、小野さんもそのメンバーとして参加することになったのだった。

OLノートとは、業務上のマニュアルや資料などをA5サイズのシステム手帳にファイリングして、業務で活用しようというもの。いずれ将来は商品化しようというプロジェクトだった。

このプロジェクトとは別に、社内のシステム手帳好きが集まって作った「システムノート研究会(略称:シテ研)」にも小野さんは参加するようになった。

「当時の私は、すっかりシステム手帳にのめり込んでしまいまいた。仕事用のリフィールはもちろん、趣味のものまでいろいろなリフィールを自作しては、シテ研メンバーと交換し合っていたんですよ。(リフィールの穴の数から)『6穴より愛をこめて』なんていうエッセイまで書いて配ったりしてました。今でいうブログのようなものですね(笑)」と当時を振り返って笑う。

残念ながらOLノートは商品化されることなく、プロジェクトは解散してしまった。しかし、小野さんはその経験を活かして、イトーキのファイリング研究所に転職することになる。

シテ研メンバーからは送別の記念に、真っ赤なバイブルサイズのシステム手帳をプレゼントされた。それ以来、小野さんはBindexのリフィールを使い続けているという。

旅先で書く旅のリフィール、好きな日本酒の評価リスト、趣味で始めた銭湯めぐりのリストなども作っていた。その他にも、手紙の送り先や贈答先リストなど、いろいろなリフィールを作り、その経験がファイリング技術にも活かされてきたという。

友人から贈られた大切なシステム手帳

小野さんが現在使っているシステム手帳は2代目のもの。シテ研メンバーからプレゼントされた初代がさすがに痛んできたので、同じ真っ赤なものを2代目として現在は使っている。

「もちろん初代の手帳も大切に保管してありますよ。2代目のカバーには、転職した日付を刻印してもらい、初代のメモリアルを大切に引き継いでいます」と初心の思いを今もしっかりと大切にしているのだ。

ファイリング・コンサルタントとして活動するようになってからは、システム手帳はスケジュール管理、地図、緊急連絡先、付箋、予備の名刺など、必要最小限のものしかファイルしなくなったという。その他のものはファイルを使うようになった。

しかし、それでも裁縫道具、バンドエイド、ペットの写真、クスリ、のし袋などのグッズもシステム手帳には入っている。バンドエイドは仕事で紙を扱うことが多く、紙で指先を切ってしまうことが多いから。クスリは自分の名前に因んだ「ヒロリン」という痛み止めで、話題作りのためとか。こんなところにも人を気遣う小野さんの人柄を感じさせる。

スケジュール管理には月間の予定が見開きで一覧できるBindex月間ダイアリー(No.041)を使う。ここにはスケジュールとクライアントの指導時間などのみを記入する。

メモやToDo(やるべき用件)リストには2種類の伊東屋製のリーガルパッドを使う。紙色が黄色なので脳を刺激し、気分も明るくしてくれ、目立つので気に入っている。ToDoリストには小さなリーガルパッドの方を使う。朝にその日にやるべき仕事やプレイベートの用事をすべて1日分を1枚に書き出す。終わらなかった用件は翌日のものに転記する。

大きいリーガルパッドは、仕事のメモや打合せなどで使う。1案件ごとに1枚を片面のみ使用する。必要なものは日付とタイトルを付けて、クライアントごとなどテーマ別のファイルに保存する。手帳やノートの記入は、全て0.38mmの極細のゲルインクペンを使う。色はブラウンブラック(こげ茶)が気に入っている。

小野さんはシステム手帳以外にも業務日誌を書いているという。「独立したことがきっかけで書き始めたんですよ。フリーになり時間が自由になるので、ダラダラしてしまう自分を正すために買ったのです(笑)」と打ち明けてくれた。1日1ページの能率ダイアリーメモリー2には、起床時間、天気とともに、家事、仕事などその日にやったことを時間目盛りに傍線を引いて簡単に記録する。使った大きな金額などもここに記録している。

書類整理のプロが使う手帳イメージ 3
2代目システム手帳には月間ダイアリーと付箋などシンプルに
書類整理のプロが使う手帳イメージ 3
自らの生活を正すためにつけている業務日誌

人生の整理にライフステージ・ファイリングを

ファイリングのプロである小野さんは、当然にも自分自身の暮らしにもファイリングを活用している。先のToDoリストだけでなく、その日にやるべき用件専用の「プライベートToDoファイル」を使っている。クリアファイルを利用して、その中にToDoに関係する書類などはまとめて入れておくのだ。

また、一時仮置きの場所としてボックスファイルを利用して、整理前の書類は一元管理している。メモや資料などは全てテーマごとに分類フォルダーで整理。小野さんの自宅には書類キャビネットまである。

「一般の家庭ではキャビネットは無理ですから、ボックスファイルを利用するといいですね。アメリカではカーテン柄のようなおしゃれなフォルダーがとても豊富に揃っています。日本ではまだ家庭でのファイリングの大切さに気づかれていないのが残念です」と家庭でのファイリングの重要性を小野さんは訴える。

「アメリカでは”クラター・オーガナイザー”という仕事があります。”整理をする人”という広い概念の言葉で、オフィスのファイリングから家庭での整理収納のアドバイザーやタイムマネジメントの専門家までも包括して呼ぶ名称です。昨年ボストンで開催された年次総会に参加しましたが、各国から900人もの専門家が集まり、しかもその9割は女性でした。私の夢はファイリングをオフィスだけでなく、家庭まで広めること。日本版のクラター・オーガナイザーのモデルを作っていきたいのです」と抱負を語ってくれた。

「ライフステージ・ファイリングといえ考え方があります。自分の身のまわりにあるモノは、それまでに自分が興味があって集めたもの。ライフステージが変われば、モノも整理してあげる必要があります。学生から社会人になった、結婚した、転職した、定年退職したなどの節目にそれまでのモノも整理する。次の新しいステージにスッキリとスタートが切れます」とアドバイスしてくれた。

小野さんにファイリングのコツを伺ってみた。
「オフィスにある書類は3割は必要なもの、2割は保存年限を決めて保存すべきものです。残り5割が捨てられます。捨てる基準がはっきりしていないから書類は溜まるのです。簡単な捨てる基準は、

(1)法定期限が満了したもの
(2)個人で重複して持っているもの
(3)過去1年間使わなかったもの

の3点です。

捨てるには3~4月などの年度変わりが最適です。業務上の書類は個人の机から出して、共通のキャビネットで集中管理を行います。オフィスでは2年度分保管し、年度が替わったらオフィスから書庫へ”オキカエ”、翌年も必要な文書は当年度の場所から前年度の場所へ”ウツシカエ”を行い、トコロテン式に流れを作っていくことが大切です」

最後になかなかモノが捨てられない人へのアドバイスもいただいた。
「モノには作った人の目的・意図・機能があります。本来の目的や機能がなくなったモノは捨てられます。”なぜ捨てられないのか”を自分で考えてみるといいですね。金額が高いモノだから、いつか使うかもしれないから、もったいないからなどの理由があげられますが、本来の目的・機能がなくなったらモノは思い切って捨てるべきです。もちろん大切な人からもらったモノなど、メモリアルとして保存することは認めますよ(笑)」

手帳は時間管理をするもの、メモ・資料はファイリングするもの、明確に峻別する小野さん。時間管理も書類管理も不要なモノを捨て、必要なものだけを残すことが大切だと改めて感じた。

書類整理のプロが使う手帳イメージ 5
ToDoリストやメモで使う2種類のリーガルパッド
書類整理のプロが使う手帳イメージ 5
過去に使ったリフィールもファイルに保存

私の手帳のツボ

●スケジュールは月間が見渡せるものを使う。
●スケジュール手帳とは別に、業務日誌をつけて生活を正す。
●メモ・資料は捨てるものと残すものとを峻別する。