みんなの手帳部

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カクゾウ
活動報告みんなの手帳の色んな使い方をご紹介! 活動報告

手帳は同じものを使い続ける

榊原 廣さんの活動報告

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Profile

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株式会社博報堂DYメディアパートナーズ 主席研究員
榊原 廣(さかきばら こう)さん

1961年生まれ。筑波大学第2学群生物学類卒業。1984年博報堂入社。博報堂DYメディアパートナーズ設立に伴って2003年より現職。プランニング現場での豊富な経験に基づく企画力開発指導に定評がある”企画のプロ”。著書に「企画力の教科書」(日本実業出版社)、「パワポ使いへの警告」(講談社)がある。

会社HP http://www.hakuhodody-media.co.jp/

父からの手帳アドバイス

手帳は同じものを使い続けるイメージ 1

ファイルボックス一杯の手帳を抱えて現れた榊原さん。これまでに使った手帳は全て会社のデスクに置いてあるという。広告会社に入社した榊原さん。はじめの 2年間は手帳を使っていなかった。ノートを手帳代わりにしていたが、さすがにそれではスケジュール管理が破綻しそうになったので、システム手帳を使ってみたりと試行錯誤していたという。

「そんな時にエンジニアだった父から”手帳は同じものを使ったほうがいいぞ”というアドバイスをもらったんですよ。父は技術者手帳という小型の手帳を長年使っていたんです。それからお店で自分に合いそうな手帳を探し回り、スタンダードな今の手帳を使い始めたという訳です」と教えてくれた。

それ以来、本革製や合皮製の表紙の能率手帳ウィック1を17年間使い続けている。カバンを持ち歩くことが嫌いな榊原さんは、ポケットに入るサイズで、時間が縦型に記入でき、かつメモ欄も広いゾーンタイプのこの手帳が今ではすっかり離せない存在になったという。

予定以外にも、日記がわりにその日にやったことなどもメモし、休日に何があったかなども書き留めておくそうだ。

「毎年新しい手帳を買って、まず最初にやることは、休暇予定、家族の誕生日、結婚記念日を記入することなんですよ。妻の誕生日を一度忘れてしまって大変なことになってしまったので・・・」と笑う榊原さん。忙しくて休暇予定の方は思い通りにならないという。

オフィスに過去の手帳が置いてあるので、たまに見返してみたり、新人に自分の若かりし頃の空白のスケジュールを見せて、勇気づけることもあるそうだ。最初から手帳を保存する意図はなかったそうだが、結果としては榊原さんのビジネスの足跡がしっかりと詰まった大切な記録だ。

作業時間を確保する

広告業界のスケジュール管理は特徴があるという。3週間以上先の予定はまず入らないという。1~2週間前になってから、急に予定がどんどんと埋まっていくのだ。最近でこそ少なくなったが、夜10時から会議なども珍しくないとのこと。気がつくと打合せや会議ですぐに予定は埋まってしまう。

広告業界での時間管理は、「ミーティング」と「小さな締切り」の連続だという。その締切りをこなしていくには、その作業時間を確保する必要がでてくる。榊原さんは自分の作業時間を確保するために、あらかじめスケジュール欄にタテ線を1本入れて、そこに予定が入らないようにガードしている。また、新しい手帳を購入したらすぐに、1年間分の午後3時の時間帯に蛍光マーカーで線を引いておくのだ。この時間にはミーティングを入れないようにするためだ。この時間にミーティングが入ってしまうとその前後の時間に影響して、時間効率が悪くなってしまうからだ。

記入には4色ボールペンや水性ペンを使う。榊原さんは手帳やノートの記入は、基本的に赤色を使う。赤は”一番目について頭に入るから”がその理由だ。色分けのルールは特に決めてはいないが、赤以外の色も使うことによって目立たせることもできる。変更になった予定は消さないで、傍線を引いて残しておく。

手帳裏の見返し部分にはポストイットを貼っておき、思いついたアイデアをすぐに書き込めるようにしている。電車の中などでは、アイデアを考えてポストイットにメモしておき、オフィスに戻って、それを一気にまとめあげるという活用法だ。

手帳は同じものを使い続けるイメージ 3
赤色ペンで書かれた榊原さんの手帳
手帳は同じものを使い続けるイメージ 3
見返し部分に貼ってあるポスト・イット

企画は手で考える

広告プランナーとしての経験が豊富な榊原さん。その経験を活かして、既に企画関係の著書を2冊も上梓している。そんな榊原さんも新人時代には企画作りでは苦労していたという。

企画で悩んでいた時に、ある上司から渡されたのが「企画の規格書」だった。「企画の規格書」とタイトルされた、企画作りで必要な要素が書かれた手書きのA4判フォーマット。そこには、「目標を確認する」「現状と課題の整理をする」「その課題に答える戦略を提示する」などと書かれており、順にステップを踏むことで企画ができあがるようになっている。この「企画の規格書」を手にした榊原さんはその教えのとおりに企画を考えてゆき、数々の実績を残してきたのだった。

そんな榊原さんが今度は教える側になって著書を出すことになる。近著「パワポ使いへの警告」では、パワポ、つまり、プレゼンソフトのパワーポイントでいきなりパソコンに向かって企画を考え始めるデジタル世代を戒める。パワポで企画書を書きながら企画そのものを考える。全体像を考える前にディテールにばかり目を向ける。いつもの企画書を使い回す。パワポ機能でできないことは諦めてしまう。データを切り貼りして、企画の流れを見失う。アニメ機能など演出に凝りすぎて、企画の本質を忘れてしまう。どれも思い当たる節のある、耳が痛い指摘だ。

「パソコンの画面はどちらかというと一次元。紙に書くと二次元になり、さらに線や矢印を引くことで関係が立体的に見えるようになって三次元になるのです。考えごとをするときは紙とペンだけ持って、パソコンから離れてみるべきです」と榊原さんはアドバイスする。

「パワポは企画を伝える必需品であっても、企画を考える必需品ではないのです。紙とペンさえあれば、企画はできます。まずはたくさんのアイデアを考えることが重要なのです。質よりも量が大切。つまり、書きながら手で考えるということです」

現在は主席研究員として地上デジタル放送、インターネット、携帯電話など広告を取り巻くメディアの変化について研究している榊原さん。デジタルメディアの将来像や10代・20代の次世代オーディエンスに関する講演も多い。

デジタルメディアについて日々考えている榊原さん。そのアイデアは紙とペンで構築されているのだ。企画は手で考える。デジタル全盛の現代だからこそ、まず自分の手と頭で考えてみることが何よりも大切なことだ。企画のプロからのアドバイスは、企画作りだけに限らず、ビジネスや日常生活を考える上でも役立つアドバイスでもある。

手帳は同じものを使い続けるイメージ 5
先輩から渡された手書きの「企画の規格書」

私の手帳のツボ

●手帳は同じものを使い続ける。
●新しい手帳を入手したら、年間の記念日や休暇予定を記入する。
●あらかじめ自分の作業時間を確保しておく。
●変更点は消さずに残しておく。