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ソムリエが使うダイアリー

齋藤 雄二さんの活動報告

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Profile

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ラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション アシスタント・マネージャー ソムリエ
齋藤 雄二(さいとう ゆうじ)さん

996年ホテルメトロポリタン(東京・池袋)に入社。同ホテルのフランス・イタリア・中華料理の各レストランおよびカフェに勤務する。この間にソムリエの資格を取得する。2004年、「シャトーレストラン ジョエル・ロブション」に入る。

シャトーレストラン ジョエル・ロブション www.robuchon.jp/

恵比寿はビールだけでなく、ワインでも有名な街

ソムリエが使うダイアリーイメージ 1

東京・恵比寿にある恵比寿ガーデンプレイス。ここはエビスビール発祥の地として有名だ。1889(明治22)年に日本麦酒醸造(サッポロビールの前身)がここにビール工場を建て、翌年からエビスビール(当時は恵比寿ビール)を発売し、人気となった。その後、都市化の波に押されて工場は移転し、1994(平成 6)年に恵比寿ガーデンプレイスが誕生した。現在、ここには当時を偲んだ恵比寿麦酒記念館があり、サッポロビールの本社もある。いまでもビールととても縁が深い場所なのである。

この恵比寿ガーデンプレイスにある、まるで西洋のお城のような建物が「シャトーレストラン ジョエル・ロブション」だ。史上最短記録でフランスの三ツ星シェフになったジョエル・ロブション氏が日本で開店した高級レストランだ。フランス料理で有名な同店には、日本でも有数のワインカーヴ(地下ワイン貯蔵庫)がある。ワイン銘柄で約2,000種類、その数15,000本もの高級ワインが、地下で静かに時を刻んでいるのだ。その質と規模では日本でも5本の指に入るといわれる。このワインを管理しているのが、シェフソムリエの剣持春夫氏だ。第1回ソムリエ最高技術賞コンクールの優勝者であり、日本ソムリエ協会の副会長を勤める、日本ワイン界の重鎮である。実は、ビールで有名な恵比寿の街は、ワインでも有名だったのである。

そんな剣持氏の薫陶を受けている若手ソムリエが齋藤さんだ。憧れのお店に入って2年目ながら、シャトーレストランジョエル・ロブション1階のカジュアル・フレンチレストラン「ラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション」のアシスタント・マネージャーとして活躍している。

シャトーレストラン ジョエル・ロブションは、そのお城のような建物で、いま話題のレストラン・ウエディングでも、とても人気が高いお店だ。結婚シーズンでもある秋のこの時期は、一段と忙しい。

「土日は1日に2組のウエディング・パーティーがあります。朝7時からその準備に入りますが、限られた時間内で会場を組み替えなければならないですから、大変ですね。人生で最も大切なセレモニーですから、私たちも常に緊張の連続です。式を挙げられるお客様は、当日初めてウェディング用に装飾された会場を目にされますので、とても感激されます。そんな喜んでいただいた時が、それまでの苦労が吹き飛んでしまう瞬間ですね(笑)」と齋藤さんは語ってくれた。

ワインの知識を手帳に記入する

齋藤さんが使っている手帳は、同社の社員に配られているB5判の能率ダイアリーだ。サービス中は手帳を身につけられないので、お店のバックヤードに置いて使っている。パーティーの予約や打合せなどの予定を記入している。記入は全てシャープペンを使用。パーティーなどの日時は変更が多いからだそうだ。

大判のダイアリーは、巻末にあるメモページも多い。齋藤さんはここに自分が飲んだワインの印象や特徴などをワイン・リストとしてメモしている。大部分は頭の中に入っているが、こうして記入しておくことで、時々見直すことができ覚えられるという。

また、ダイアリーのポケットには、ワインのビンテージ・チャート(銘柄ごとの年ごとの飲み頃一覧)やお客様のオーダー・シートなども入っている。

「お店にはもちろん顧客名簿はありますが、私を指名してご来店いただいた大切なお客様が注文された料理やワインの銘柄、お客様の味の好みなどを個人的にもメモしておくんです。こうすることで、次回そのお客様が来店された時にサービスがスムーズにできますので」と齋藤さんはさらりと説明してくれた。そのきめ細かな対応は、さすが一流レストランだと感心してしまう。

齋藤さんがソムリエを目指したのは、前のホテル勤務時代だった。そのカッコよさに憧れ、ソムリエの先輩の話を聞いてから、ソムリエを目指してワインの勉強を始めたという。仕事が終わり、帰宅するのはいつも深夜になる。それからソムリエ資格の勉強をすることになる。ワインスクールにも半年間通った。ソムリエ資格は、ワインだけでなく、飲み物全般の知識も求められる。また、5年間の実務経験も必要で、テイスティング実技も2次試験にはある。齋藤さんはこの難関を2度目の挑戦で、25歳の時に突破したのだ。

ソムリエが使うダイアリーイメージ 3
パーティーの予約などを記入する能率ダイアリー
ソムリエが使うダイアリーイメージ 3
ビンテージ・チャートやオーダー・シートがダイアリーのポケットに

高級レストランを上手に利用する

ボージョレー・ヌーヴォーの解禁は、毎年11月の第3木曜日。これはフランスのワイン法で決められているもの。ボージョレー(フランスのワイン産地)で今年収穫した新酒を世界で早く楽しむことができるのは、日付変更線に近い日本だ。いまではすっかり定着したワインのお祭りで、世界で最も多くボージョレー・ヌーヴォーを輸入している国は日本だ。

「ボージョレー・ヌーヴォーは私たちも楽しみにしています。よく、ボージョレー・ヌーヴォーを飲まれて、ボージョレーはフルーティーなワインだという印象を持たれるお客様もいらっしゃいますが、ヌーヴォー以外にもボージョレーの中にはしっかりとした造りのワインも多くあります」とワインについて説明してくれた。最近のワインは、ボージョレー、ボルドー、ブルゴーニュなどの有名な産地以外にも、ニュージーランドなど新しい産地で、いいワインができているそうだ。また、有機栽培のぶどうで作ったワインも増えてきており、月の満ち欠けなど自然の力を利用したぶどう栽培が増えているという。

ワインはとても奥が深い飲み物で、いろいろな楽しみ方もあるという。産地やぶどうの種類の違いを楽しむ以外にも、同じ銘柄でビンテージを楽しむ方法もある。2003年のフランスは記録的な猛暑の年だった。このような年はぶどうもよく完熟して、いいぶどうができる。しかし暑すぎてワイン造りが難しかった年でもある。同じ畑で収穫された同じぶどうでも、収穫した年によってまるで味が違ってくる。収穫年によって、早く飲んだ方がいい年と、じっくり熟成させて飲んだ方がいい年があるのだそうだ。一般的には、オフヴィンテージといわれる年は早く飲み頃を迎え、完熟した年はよく熟成させて飲んだ方がよいとされる。

齋藤さんは休日もワインを楽しむほどワイン好きだ。自宅にもワインセラーを購入し、ワイン雑誌を読み、時間があればワインショップや酒屋でワインを探すそうだ。趣味はワインを飲みながら格闘技のビデオを観戦することだという。この意外な組み合わせ?の時間が、齋藤さんにとって至福の時だという。

これから秋から冬にかけてのワインの楽しみ方を齋藤さんにうかがってみた。
「高温で湿気の多い日本の夏には、爽快感がある白ワインやシャンパンがお勧めです。秋からはおいしい食材が多くなるので、食材との相性に合わせた赤ワインがお勧めですね。季節や天候によって人の味覚は微妙に変化するものですから、ぜひ迷われたら私たちに相談してください。実は、私たちもお客様とお話をしたいと思っているのですから(笑)」と気さくに語ってくれた。

シャトーレストラン ジョエル・ロブションのような高級なレストランは、日常的にはなかなか利用できないし、何となく敷居も高く感じるものだ。しかし、最近は誕生日、結婚記念日、還暦などのお祝いで利用されるお客様がとても増えているという。また、ランチタイムやティータイムもあるので、意外に気軽に利用できるそうだ。

レストランはただ食事ができればいい場所ではない。食事とお酒を楽しみながら、大切な人と時間を過ごすところでもある。そんな時に齋藤さんのようなプロに料理やワインについて率直に相談してみることは、また心地よい時間を過ごすことにもなるものだ。

「私たちサービスマンはあくまで黒子です。お客様の満足された笑顔が何よりも働きがいになります」と語る齋藤さん。そんな齋藤さんの笑顔で、次回は取材ではなく、プライベートの食事で訪れたいとの思いを胸に恵比寿の街を後にした。

ソムリエが使うダイアリーイメージ 5
齋藤さんが使っているダイアリーとソムリエのシンボルであるバッチとソムリエ・ナイフ

私の手帳のツボ

●変更が多いので予定の記入はシャープペンを使う。
●ワインの知識はメモページに記入してときどき読み返す。
●ビンテージ・チャートやオーダーシートをポケットに入れておく。