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経理はスケジュール管理が命

森 康博さんの活動報告

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税理士
森 康博(もり やすひろ)さん

東京メトロポリタン税理士法人の設立メンバー。現在は東京・四谷で「森康博税理士事務所」所長として活躍中。経理専門誌などでの連載執筆のほかに、その道のプロがガイドする総合情報サイト「All About」で「経理の仕事」ガイドとしても活躍している。

http://allabout.co.jp/career/accounting/

法改正でスケジュールにも変化が

経理はスケジュール管理が命イメージ 1

「夏は本来暇な時期なのですが、最近はだんだんと忙しくなってきたんですよ」と森さんは開口一番に答えてくれた。森さんは30代の若き税理士事務所の所長だ。税理士の仕事は、12月から確定申告時期の2月3月、そして多くの企業が迎える3月決算、その税務申告期限の5月までの半年ほどが繁忙期だった。それを過ぎると、特に夏場は比較的暇な時期だったのが、最近は事情が変わってきたという。中間報告的に四半期決算の開示をする企業が増えてきたからだ。

関与先には月1回の訪問が基本。毎週訪問するところもある。関与先であるお客様にあわせて月間スケジュールを組む。四半期決算では3日ほど日数が取られ、本決算になると1週間ほど必要になる。1カ月のスケジュールは関与先の訪問予定を入れていくだけで、すぐに埋まってしまう。特に3月など決算が集中する時期は物理的にも受けられなくなってしまう。そこで決算月を他の月に変更するように関与先にも提案してもいるそうだ。その方が時間をかけた指導もできる。また、企業側も以前ほど3月決算にはこだわらなくなってきた。

森さんのスケジュールは、月初から5日ほどは事務所にいるようにしている。5日以降からは関与先に出向いて月次決算の指導をする。月の終盤は本決算関係の仕事が入る。

森さんが使っている手帳は、電子手帳のソニー「クリエTH-55」。2004年春に発売された時期から使用しているものだ。それ以前も同機種を使っていたという。税理士になった当初は税理士手帳を使っていたそうだ。

クリエではスケジュール管理とアドレス管理、そしてメモを使っている。

「メモはもっぱらプライベートなものが多いですね。おいしかったお店の情報をもっぱら記入しています(笑)。クリエでは、撮った写真も一緒にメモに貼り付けて保存できるのがとても便利ですね。会議などの録音にも使えるので重宝しています」

経理はスケジュール厳守がポイント

関与先では1社あたり3時間ほど滞在することが多い。会計書類をチェックする時間よりも、経営者や経理担当者からの相談に時間を費やすことが多く、訪問時間の7割ほどはそちらで占める。夕方に事務所に戻ってきてから仕事をすることになる。雑誌やサイトなどの記事の執筆は、したがって夜間や休日に書くことになる。

「雑誌に原稿を執筆するようになって、あらためて調べものをしたりと、私自身とても勉強になっていますね。でも月刊誌はひとつの原稿をやっと書き終えたなと思っていたら、もう次の原稿締切りが迫ってくるという感じで大変ですね。しかも、今年からAll Aboutのガイドも引き受けるようになって、時間がさらに必要になって実は苦労しているのですよ」と苦笑する。森さんは都内の大学でも非常勤で税理士資格講座も教えているという。

税務制度は毎年どこかが改正される。それ以外の法律や制度も変わるため、仕事はそれらの影響を受けることになる。例えば、今年春に会社法が改正された。実際の運用に関することは直前にならないと決まらない。特に税務は最後にならないと決まらないことが多いために苦労するという。しかも税務申告には遅れは絶対に許されない。遅れるとペナルティが課せられるのだ。

「経理の仕事が他の仕事と違うのは、締切りがあるということですね。しかも、その締切りは自分で交渉すれば動かせる性格のものではないということです」と経理の仕事はスケジュール厳守が鉄則であると教えてくれた。

「経理で大切なことは、伝票の起票や入力が速いということではありません。1年も経験すれば、そうしたスキルはだいたい身につくもの。本人の好き嫌いもありますが、スキルの差が大きく出るのは、人とうまく調整ができるかどうかということです。例えば、社内で経費の精算書類を早く出してもらうためには、協力してもらえるように人づき合いのうまさが必要になります。それが仕事で差が出るものなのです」と森さんはいう。

スケジュールを守るためには、社内のいろいろな人との協力が不可欠になる。そのためにも「常に鳥のように全体を眺める眼、つまり俯瞰する視点が必要になります。年間を見渡して、どんな業務がどの時期に発生するのかを事前に把握している必要があります。そして自分のスキルと時間を相談して、調整しておくことが大切になります」と森さんは教えてくれた。

経理はスケジュール管理が命イメージ 3
クリエで記入するメモは主にプライベートのもの。JMAMでは同機種用にデジタルのリフィルも提供していた。
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仕事のメモは、事務所オリジナルの「レビュー用紙」に記入する。これに記入されたものは決算書類などの証憑にも利用される。

経理担当者はチャレンジ精神が大切だ

経理の担当者が陥りやすい行動についてうかがった。「まずは一人で仕事を抱え込んでしまわないことですね。経理はまじめな人が多い。一人で抱え込んで、結果として自分でできなくなってしまうのが最悪のパターンです。自分のスキルや時間と相談して、同僚や上司などに協力を早く求めることが大切です」という。

「経理の仕事は1年間のルーチンワークなので、これでいいんだと自分で思い込んでしまう人がいます。しかもプライドが高いせいか、自分からはなかなか改善しようとはしない傾向があります。制度や規則も毎年変わりますので、いろいろと工夫や改善することがあるはずなのですが。昔なら経理ができていればそれでよかったのですが、いまの時代は幅広い視野を持って、人と接することができなければならないのです」

また、会計ソフトなども進化してきているという。仕訳などに困ることもなくなり、現金と帳簿が合わないといったことも少なくなってきた。「会計ソフトとうまく付き合いながら、周りの状況にうまく合わせていく必要がありますね。エクセルやワードなどのパソコンの知識も勉強している必要があります。そして、会計制度や税務制度が変わることを早く知って、それが社内の書類や手続きをどう変えなければいけないのか、会計ソフトでどう対応しなければならないのかを理解していく必要がありますね。そのためにも常に勉強するという姿勢と仕事の優先順位づけをすることが大切ですね」と森さんはアドバイスしてくれた。

たまたま取材した当日が税理士試験の日だった。税理士試験は年々難しくなっているそうで、1科目の合格率は1割程度だという。5科目を合格するには、最近では4~5年はかかるようになったといわれる。

経理の仕事は3年ほど経験すれば一人前になるといわれるが、マンネリに陥ることなく、常に勉強して、毎年新たなことに取り組んでいくことが大切だと森さんはいう。自らも常に新しいことにチャンレンジしている森さん。その柔和で優しく語ってくれた表情の奥には、キラリと光るプロの眼差しを見ることができた。

私の手帳のツボ

●月間スケジュールを計画的に組む。
●スケジュールは俯瞰して考える。
●常に新しいことにチャレンジしていく。